ジョグジャカルタ


すでにひと観光を終えたのだが、まだ8時前である。朝食をとり、チェックアウトして、郵便局へ行って前日に書いた絵葉書を出してもまだ9時までだいぶんある。ということで、9時少し前にバスステーションに到着して、9時発のジョグジャカルタ行きのバスに乗ることができた。



おんぼろローカルバスでの移動もまた楽しい(短い距離ということもあるが)。


10時20分ころ、車掌に、「どこに行くんだ? マリオ・ボロ(ジョグジャカルタの中心部の通り)に行くなら、ここで降りるといいよ」というような感じで声をかけられる。ジョグジャカルタは比較的大きな街だからバスターミナルは中心部から少し離れたところにある。だから、この車掌の言葉はありがたかった。ただ、どちらの方向がマリオ・ボロなのかわからなかったので、マリオ・ボロ近くのトゥグ駅はどっちか聞いてみた。すると、軽くあごで、そっちの方というジェスチャー。ということで、言われるまま降りて、そのあごで示された方向に歩いて行くと何となく鉄道駅が近そうな雰囲気。ところが、そういう雰囲気はすぐに消えて、どんどん都市の中心部という感じではなくなってくるではないか。太陽はすでに高く昇り、強烈な暑さである。このまま歩き続けるのは危ないということで、誰かに道を尋ねることにした。ただ、言葉は通じそうもない。持っているジョグジャカルタの地図は『地球の歩き方』の地図だけで、インドネシア語ではない。どうしようかと思案したが、幸いマクドナルドがあった。マクドナルドならば地元の学生がアルバイトで働いているかもしれない(学生アルバイトを雇っているのかどうかわからないが、そう考えるしかなかった)。学生ならば、ちょっとは英語を学んでいるだろうから道を尋ねるくらいならば大丈夫だろう。そう思った。

マクドナルドに入って店員に声をかけてみると、幸い片言の英語を話すスタッフがいた。それで、トゥグ駅までの地図を書いてもらった。書かれた地図をみると、なるほど少し歩けばトゥグ駅だなあという感じだったので、お礼を言って店を出て、地図の通り歩いていった。ところがである。駅に至る途中に現れるはずの目印がいっこうに見えてこない。あとからわかったのだが、地図は正しいのだが、目印までの距離がとてつもなく長かったのである。

歩いているうちにバス停があった。普通のバス停ではなさそうで、駅みたいになっていて、まず窓口でチケットを買ってのるシステムらしかった(まったく予習していなかったので、このときはわからなかったが、トランスジョグジャであった)。窓口で聞くとマリオボロに行くというので、チケットを買って改札を通ってバスを待った。バスはほどなくやってきて走り出したが、しばらく走ると、さっき書いてもらった地図にある目印が現れた。地図を書いてくれとしか頼まなかった自分も悪いが、そこまでの行き方も教えてくれよ、という感じ。実は先ほど、ボロブドゥールからのバスを降りてすぐのところに、市内交通のターミナルみたいなところがあったが、もしかするとあの車掌は「すぐそこからバスに乗るといいよ」と言いたかったのかもしれない。

とにかく、何とかマリオ・ボロ通りに出、予約しておいたホテルに落ち着く。

ホテルにバックパックを置いたあと、南側の王宮(クラトン)に向かった(王宮には南北があり見所の多いのは南らしい)。予習をしておらず、これも後から知ったのだが、開館時間が8時半から13時半(金曜は12時半まで)。ホテルを出てだらだらと歩いて王宮に着いたのは12時半すぎ。もし、昼食を優先させていたら王宮は見られなかった。

ところでインドネシアにはあちこちに王宮といわれる建物があるが、どうやらそれはこの国の歴史の複雑さに起因しているらしい。ジョグジャカルタに関していうならば、16世紀、インドネシアに新マタラム国というイスラム国家が成立したが、1755年、インドネシアを支配するオランダの介入を受け、新マタラム王国が分裂して、分裂した一方の勢力がソロに、一方がジョグジャカルタを拠点としたとのこと。



ジャラン・マリオボロ。



王宮は1756年建設。いろいろな建物があり、また、博物館があって歴代スルタンの写真、肖像画、衣装、彼らが使った家具調度品など色々展示されているが、暑すぎて観光意欲がわかず。適当に写真を撮ったが、上が何の写真なのかわかりません。



ここもどういう場所なのか? 何かの儀式のための場所だったか? 現在はここで伝統芸能などが披露されているらしい。


王宮見学後、遅い昼食をとったあと、「展望台」と言われている廃墟へ。



「展望台」から見たジョグジャカルタの町並み。



展望台近くの路地。



「展望台」で涼む地元の若者。



「展望台」の前で。



ベチャ(前を走っているのもベチャ=座席が前についている)とよばれる自転車タクシーでマリオボロへ(写真はベチャの座席から撮ったもの)。しかし、交通規制がかかっており、マリオボロの中心部へは入れず。→動画(ベチャからの眺め)



ジョグジャカルタの中心部では独立記念日のパレードが行われていた。



パレードにはジョグジャカルタの色々な会社・職場・団体が参加しており、動物園は動物を連れての参加。



トゥグ駅近くのソロスウィジャヤン地区。ホテルやレストランなどが固まっている旅行者の集まる街。



マリオボロの商店街。



マリオボロのショッピングモールで、多くの中高生(だと思う)が参加するイベントが開かれていた。参加者の大部分が女子で、皆が床に座り、個人・グループが次々とステージに上がって歌を唄った。写真は、イベントの最後に参加者全員がステージの前に出て唄っているところ。この旅で最も印象に残ったシーンかもしれない。



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