<目次>
 1.キューバへ(このページ)
 2.トリニダー
 3.ハーシー線に乗ってみた
 4.もうちょっとハバナ観光
 

  キューバへ

2015年夏、キューバとアメリカが国交を正常化した。いまだアメリカのキューバに対する経済制裁は続いているが、制裁が解かれて両国間の貿易など経済関係が密接化すると、色々な面でキューバに変化が見られるだろう。

観光客の視点からみると、テレビの映像などでよく見るあのクラシックカーはどうなるのかという点が気にかかる。経済的に苦しいので、古い車を使い続ける→アメリカとの国交回復・経済制裁の解除・経済発展→クラシックカーは順次新しい車に更新→いつの時代だ?という街の風景が変わって現代の普通の光景へ。これってキューバ人にとっては新しい性能のよい車に変わるわけでよいことなのだろうが、観光客目線で見るとちょっと残念な感じもするのだ。わがまま極まりないのだけれど。

それから、キューバの人々の変化。キューバを訪れた旅行者のブログなどを見ると、キューバの人たちの「人のよさ」というのがとてもよく伝わってくる。しかし、外国人観光客の増加(すでにキューバを訪れる観光客が大幅に増えているが)→観光客ズレの進行→旅行者からなるべく多くの金をぼったっくてやれという輩の増大、という流れが心配される。また、経済発展は人々の経済格差の拡大を伴うだろうから、人々の心が荒んでいくことも心配される。一応社会主義体制は維持されるので、他の中南米諸国のような極端な治安の悪化という状況は起こらないとは思うが。

そんなわけで、すでに変化は始まっているのだろうけれど、大きく変化する前の姿を見ておきたいということで、2016年1月末から2月の初めにかけてキューバに訪問することにした。

アメリカとの国交が回復したとはいっても、キューバ-アメリカ間の航空機の定期便はまだ運航されておらず、日本からのアクセスの選択肢はカナダ経由(エア・カナダ)かメキシコ経由(アエロ・メヒコ)の二つ(もちろん複雑な経路をとればまだまだ選択肢はあるのだろうが)。

所要時間・運賃ともに有利だったので、あっさりエア・カナダを選択。JALに囲い込まれている身としては、ワンワールド系ではないのでちょっと残念だが仕方がない。

キューバに入国するには、日本人はビザは必要ないがツーリストカードなるものが必要。エア・カナダの機内で配布されるが、これはカナダ人専用なので他の国の旅行者は使えないという情報がある一方で、何の問題もなく使えたという情報もあった。しかし、危ない橋は渡りたくはないので、ツーリストカードはキューバ大使館領事部で事前に取得した。

<1日目>

18時50分発のエア・カナダ便でトロントへ向けて出発。
現地時間の16時半頃トロント到着。
ハバナ行きの定刻は18時15分だったが、けっこう遅れて19時半ころようやく離陸。
だが、もともとの接続が良すぎるだけで、おくれてもそんなに悪い接続ではなかったと思う。

現地時間の23時すぎハバナに到着。
空港はとても質素な感じ。ここも観光客が増大するのにともない変わっていくのだろう。
入国審査はスムーズに済んだが、両替所の窓口が一つしかあいておらず少し並んだ。

23時40分すぎタクシーに乗り、所要時間約20分で予約しておいた旧市街にあるホテルに到着したが、途中通った革命広場前で、ライトアップされたゲバラの肖像を見て、気分がかなり上がった。「ああ、キューバに来たんだ」と。

ところで、近年キューバを訪れる観光客の増大は著しいようで、ホテルの数が不足気味のようで、また、旧市街観光に便のよい手頃な料金のホテルが少なく、2カ月近く前に予約したのだが、けっこうギリギリだった。

キューバにはカサ・パルティクラルとよばれるプライベートルーム(民泊)が沢山あるので、街中を歩くといくらでも宿がみつかるようだが、深夜の到着なので、今回予約できたところが取れなかったら、新市街の高級ホテルでの一泊を余儀なくされていたかもしれない。


<2日目>


朝から街歩きに出発。たくさん太陽の光を浴びて時差ボケを解消しなくては。



ホテル前の通り(プラド通り)の朝。奥に見える大きな建物は旧国会議事堂で1929年建設。アメリカの国会議事堂をモデルにしているらしい。



プラド通りの中央にある遊歩道。ここをずっと進んでいくと海岸近くに出る。




さっそくクラシックカーのお出まし。ホント、よく走っているという感じ。多くのクラシックカーは乗り合いタクシーとして使われている。道路の向こうに見えるのは、プンタ要塞(16世紀建造)。




プンタ要塞から対岸にあるモロ要塞(16世紀建造)を望む。




サン・フランシスコ・デ・アシス修道院とサン・フランシスコ広場。




ビエハ広場。並んでいる像が何なのかは不明。




何を見るとはなしに旧市街を適当に歩いていく。古い町並みとクラシックカー。自然とカメラを向けてしまう。通りはほぼ碁盤の目状になっているので迷うことはない。




コロニアルな建物とその入り口にたたずむ犬。ちなみにキューバでは犬が猫よりも多かった。




奥に見える建物は旧国会議事堂。




チェ・ゲバラの肖像画とクラシックカー。ゲバラの肖像画はけっこうあることはあるが、いたるところで見られるわけでもない。




フエルサ要塞(16世紀半ばすぎから建造)。まだ入らず、さらに街歩き。




お土産屋。定番はやはりチェ-ゲバラ・グッズ。




市立博物館(旧総督官邸)。




市立博物館の中庭。




市立博物館を出た後、隣接するフエルサ要塞の中に入った。中には取り立ててこれはというものはなかったが(あくまで自分の感覚)、最上階にいたおばちゃん学芸員というか係員というか、その人がとってもフレンドリーで、楽しく見学させてもらった。そのおばちゃんが「船が来たよ」という感じで指さすので、見てみると立派な客船が入港してきたところだった。やはり観光地キューバの人気は確実に高まっているのだ。




アルマス広場(市立博物館の前にある)の露店。




支倉常長像。17世紀初め、メキシコとの交易を開こうとした仙台藩主伊達政宗が支倉常長をメキシコの宗主国スペインに派遣に派遣したが、常長は途中ハバナに立ち寄ったとされる。そうした歴史を背景に、仙台の育英学園が100周年記念の事業としてこの像を建設した。




さらに旧市街。何の像かはわかりません。




革命博物館(1959年の革命まで大統領官邸として使用されていたもの)。中のお土産販売コーナーの店の兄ちゃんが、僕が日本人だとわかると「イチロー」「タナカ」など日本人大リーガーの名前をあげてきた。さすが野球の国だ。




革命博物館前の広場で。上で「さすが野球の国」と書いたが、サッカーも人気スポーツらしく。ここでは3グループほどの草サッカーが見られた。




大胆な色のペイントが施された建物とクラシックカー。




さらに旧市街。要所要所で搭乗するクラシックカー。




こんな手押し車に商品を載せて売り歩く商売人がけっこういます。




夕食後、いったん部屋にもどった後、昨晩、ライトアップが綺麗だったことことを思い出しやって来た。ガルシア・ロルカ劇場(だったはず)とイングラテーラ・ホテル(だったはず)。いずれも見事な建築物。



これにて本日の観光は終了。とにかく歩きまくった。