足立美術館に行ってきた(2025.10)
<両親が訪れた場所を訪ねる旅>
2025年10月末、島根県安来市にある足立美術館に行ってきた。

足立美術館は何となく知っていたものの具体的なイメージはなかった。しかし、両親のアルバムにあった写真をきっかけに調べてみると、両親が北海道からわざわざ出かけたのもうなずける評判の美術館だった。

足立美術館は安来出身の実業家足立全康(ぜんこう)が1970年に創設した美術館で、横山大観、竹内栖鳳など近代日本画、北大路魯山人の陶芸などのコレクションが有名で、なかでも横山大観のコレクションは120点と日本随一だそうだ。ただ、自分の関心はそれらの美術品よりも、両親のアルバムに写真があった庭園。展示されている美術品は基本写真撮影禁止のはずなので庭園の写真しかないのだが。ちなみにその庭園はアメリカのある専門誌の日本庭園ランキングで22年連続で日本一に選出されたり、フランスの『ミシュラン・グリーン・ガイド・ジャポン』に「三ツ星」として掲載されているそう。

せっかく島根県まで出かけるのであれば松江や出雲大社などにも、というのが普通の感覚だと思うが、それらの場所には随分前ではあるが訪れているので目的地を足立美術館のみに定め、例によって東京の家の様子を身にいくついでに(ついでというレベルをはるかに超えているが)行くことにした。

米子空港もしくは出雲空港まで飛行機で行くのが手っ取り早いのだが、足立美術館のみを見る時間がとれればよく、自分の場合”移動”も重要な楽しみなので、かなり面倒くさいルートを選択した。

1日目は新千歳から広島まで飛び、バスで広島駅に行き次にJRで三次まで移動して1泊、そして2日目の朝三次を出発し、芸備線、木次線、山陰本線の列車を乗り継いで足立美術館最寄りの安来まで移動するつもりで出発した。

新千歳発広島行きのJAL便は定刻どおり15時に出発し、定刻の17時10分から5分くらい遅れて到着。空港からはいったん広島駅に出てJRを利用するのが手っ取り早い方法だと思っていたが、空港バスを待つ間ネットで調べてみると、広島バスセンター行きのバスでアムストラムラインの中筋駅まで行き、そこから高速バスに乗った方が三次には早く着くことがわかった。ということで、17時45分発の広島バスセンター行きのバスに乗車して中筋駅で下車、そこから 18時38分発の三次駅前行きの高速バス(始発は広島バスセンター)に乗ることにした。

空港バスは中筋駅近くで高速を降りたが、あいにく帰宅ラッシュの時間帯で中筋駅には定刻の18時25分には着けそうにない。あまりに遅れると18時38分のバスを逃してしまう。もしそのバスを逃してしまった場合、タクシーで安芸矢口駅まで移動して、19時27分の三次行の列車(広島を19時9分に出る列車)をつかまえようと思った。

幸い空港バスは18時30分すぎに中筋駅前に着いたが、すぐ来るだろうと思っていた三次駅前行きがなかなか来ない。途中福山行きのバスがやって来たが、バス停の時刻表からは20分近い遅れ。広島市内の帰宅ラッシュ渋滞はかなり酷そうだ。結局、自分が乗るバスも定刻から20分近く遅れてやって来た。車内は空席だらけだったが沼田パーキングエリアのバス停で高校生が沢山乗ってきた。高速バスが通学バスになっているのだ。その後、いくつかのバス停で高校生たちは降車していったが、そこから先の足は当然ないからご家族だろうか、車が迎えに来ていた。

三次駅前には定刻より20分くらい遅れて20時10分ころ到着。駅近くのファミレスで夕食をとってから予約しておいた駅からすぐの所にあるルートインに投宿。

2日目、乗車予定の三次発備後落合行きの列車の発車時刻は6時54分。ルートインは6時半から朝食を提供しており、朝食をかっこんでから駅に向かっても列車には間に合う。しかし、6時20分ころ少し早いかもと思いつつ荷物を持って部屋を出て朝食会場に行ってみるとすでに行列ができていた。朝食はビュッフェ方式だが、食べ物をとるまでに時間を要しすぎるとちょっとピンチだ。

幸い6時半少し前に朝食会場が開き、6時35分には食べ始めることができ、6時45分ころホテルを出て6時54分発の列車に乗車。

三次を出たとき車内はガラガラだったが、いくつかの駅に停車するうちに席は高校生でいっぱいになった。沿線にはいくつかの高校があるようで、何回かに分けて乗客が減っていった。



三次駅。手前の紫と水色のラインが入った車両が備後落合行き。




備後落合に近づくと客は自一人になった。




備後落合到着の少し前。




備後落合駅。写っている車両は今しがた乗ってきたもの(8時14分着)。




宍道行の列車は9時20分発なので駅の外にも出てみたが周辺には何もなかった。




備後落合駅。芸備線、木次線の写真が沢山展示されいたり、来訪者のための思い出ノートみたいなものもあった。それらを見ながら時間をつぶそうかと思ったが、この日はかなり冷え込んでおり、今しがた乗ってきた列車に載せて乗せてもらい暖をとった。




木次からやってきた列車。これが宍道行きとなる。




宍道行列車の車内(備後落合駅を出る直前)。客は自分一人。




列車は中国山地を越えていく(三井野原=みいのはらを過ぎて少し行ったところで撮った写真だろうか?)。並行して立派な道路がある。かなりの高低差のあるルートで道路がループ状になっている場所も見えたが、写真は取り損ねた。




自分は鉄道でのんびりと移動するのは好きだが、車両だとか路線の具体的特徴とかについてはかなり疎い。実は木次線は中国山地越えの区間でかなり勾配があるようで、進行方向を変えて(=スイッチバックして)途中駅に寄っていく箇所がある。実はそのことは知らなかったのだが、三井野原駅で4人の客が乗ってきて、彼らが不思議な動きを見せたので、そういうことかと合点した。乗車した4人のうち2人はガラガラなのにもかかわらず席にすわらず、運転席の横に立ってじっと前を見ているではないか。しばらくすると列車が停車して運転士が後方に移動し、4人の乗客はその後ろについてぞろぞろと後方に移動。スイッチバックの様子をつぶさに見るためだとわかった。列車は今来たのとは逆方向に走って出雲坂根駅で停車し、ここで4人の乗客は下車した。写真は4人の乗客が乗っていた時に撮ったもので、車窓に見えるレールは出雲坂根からさらに下っていくレールだったろうか?




出雲坂根駅。ここで下車した4人はこれからどうやって移動するのだろうか? 色々想像してみた。4人はよく見ると一つのグループではなく、3人組と1人が一緒に講堂行動している感じだった。2組はそれぞれ別の車でやってきており、まず、出雲坂根駅に来て片方の車を置き、もう1台に4人が同乗して三井野原駅へ行き列車に乗車。出雲坂根で下車した後はここに置いておいた車に4人が同乗して三井野原駅に戻り、ここで2組はお別れという感じなのだろうか。それともタクシーを利用したのだろうか。ちなみに出雲坂根駅で停車した宍道行列車は再び進行方向を変えて日本海方向にむかって下って行ったのだが、あの4人はこのスイッチバックの部分は乗車しなくて満足なのだろうか?




田舎の風景のなかをゆっくりと進んで行くのは楽しい。なお、まだ窓が開く車両が使われていた。最近は窓が開かないばかりか、太陽光線をブロックするため何か加工された窓ガラスが装着されていて車窓の眺めが自然な色ではない車両もあって、車窓を楽しむ派の自分にとっては不満の種が増えている。



出雲坂根で件の4人が下車した後、乗客は自分一人だけになってしまったが、その後徐々に乗客が増え木次駅をすぎるころには4~5割くらいの乗車率になったか?

12時26分、備後落合から3時間余りを要して宍道到着し、特急スーパー隠岐に乗り継いで安来に向かった。三次駅では木次線の途中までの切符しか買えなかったので車掌から安来までの切符を購入(三次駅はある程度の規模の駅なのだが、切符販売の窓口はなくインターホンで駅員と話すことができる券売機があって長距離の乗車券なども購入できるのだが、6時台にはまだその券売機は利用不可で短距離の切符を売る券売機しか使えなかった)。無人駅とかワンマン運転の列車が増えて複数の線区をまたいで長めの距離を乗車する際の運賃の支払いはなかなか大変ということを実感した。

足立美術館は安来駅からけっこう離れた場所にあるのだが、美術館が30分に1本無料のシャトルバスを走らせてくれている(所用時間は20分くらい)。



足立美術館の無料シャトルバス。この日は昼食の時間をちゃんととっていなかったので、シャトルバスを待つ間にカロリーメイトをかじって昼食とした。



足立美術館には広大な駐車場があり、団体客の大型観光バスも沢山駐車していた。山陰の目玉観光地の一つになっているのだ。

この日の主たる目的は庭園鑑賞だったが、入館すると一方通行の順路が定められていて、美術品の多くもスキップできないようになっていた(魯山人館だけ一方通行のルートから外れておりスキップできた-あまり興味がなかったので入らなかった)。



評判の庭園が見えてきた。写真の右側に何か写っているが、実はここの庭園はほとんどがガラス越しでしか見られないようになっていて、写っている何かは窓ガラスに反射した何か。




窓ガラス越しとはいってもガラスが大きいので枠を気にせずに庭を見ることができる。とても広いが茫漠とした感じはまったくなく、どこを切り取っても絵になる感じ。庭の中を歩いて眺めることができないということで良くないという意見もあるようだが、ここが回遊式庭園で人がぞろぞろ歩いていたら、それはそれで興覚めかも。。




ほんの少しだが紅葉が始まっていた。紅葉のシーズンにはどんな感じになるのだろうか。




庭を鑑賞するのに一番良いと思われる場所に大きな喫茶室があり、かなりの人気で長い行列ができていた。商売上手というべきか何というべきか。。。




この写真はガラス越しではなく眺められる場所だったか? 写真ではわかりにくいが画面中央に人工の滝がある。




画面の真ん中やや右に滝(人工のもの)が見えるのだけれど、わかるだろうか?




これは上の方の写真とは別の庭で、ここは屋外を通る通路から眺めることができた。







再興第110回院展の巡回展覧会が行われており、そちらは撮影可能だった。鉄道を乗り継いで安来まで来たこともあって、鉄道を題材としたこの作品に何となく魅かれて撮影。



足立美術館から安来駅まではまた無料シャトルバスを利用(往路は安来駅前から先着順で乗ることができるが復路は美術館入館後整理券をもらう必要がある)。



安来は島根県にあるが、鳥取県との県境に近く大山がよく見える。安来駅からは見えないのだが、足立美術館に行く際バスから大山がくっきりと見えて綺麗だったので、松江行きの列車までの時間を利用して中海まで出て(駅から近い)大山を望むことができる場所を探した。上の写真はそうして撮った1カット。




出雲市方面行きの普通列車の最後尾の車両から望んだ大山。天気が良くてよかった。




松江駅から出雲空港へむかうバスからみた宍道湖と夕日。まだ太陽の位置がかなり高かったので、道路沿いの木々の蔭になるところで1枚。木々のせいで宍道湖が見えなくなってしまったが。。。




東京の家で1泊してから札幌に帰ったが、新千歳行きの便からは綺麗な夕景が見られた。富士山、東京タワー、スカイツリーを一つの画面に収めることができてラッキーだった。