ディヤルバクル、ハサンケイフ、ヌサイビン、聖ガブリエル修道院
<ディヤルバクル>
ディヤルバクルはティグリス川の上流域に位置し、古代ローマ時代からオスマン朝時代まで栄えた都市。ローマ時代に建造され10・11世紀ころ修築された(詳細は複雑らしい)5.8kmの城壁に囲まれている。

ディヤルバクルへは1996年8月と2003年8月の2度訪れている。1996年はイランのタブリーズから陸路トルコのドゥバヤズィットに行き、そこからネムルート山観光の拠点キャフタに移動する途次に泊るためだけに寄ったので何も見ていない(クルド人過激派の活動により治安の不安があったので観光は考えなかった)。2003年8月はちゃんと観光するつもりで訪れたが、クルド人過激派への警戒体制は続いていて、街中にはトルコ軍の装甲車がとまっており、その上では兵士がいつでも銃を撃てる態勢をとっていた。ということで、またまた観光を避けた(少しだけ歩いたが)。

なお、このページの写真はすべて2003年8月の旅行で撮影したもの。


ディヤルバクルの路地。大通りでも写真を撮りたかったが、装甲車を写してしまってとがめられでもしたらまずいのでカメラを出すことは自重。




ウル・ジャミイ。11世紀にセルジュク朝のスルタンによって建造されたモスク。ダマスカスのウマイヤド・モスクと似た様式。




ウル・ジャミイ。




<ハサンケイフ>
ハサンケイフは紀元前からの歴史を有し堅固な城塞が築かれていた。2003年8月の旅行は、かなり行き当たりばったりのものでハサンケイフには行かないという選択肢もあったのだが、今となっては行くことにしてよかった思う。というのは、後にダムが建設されてハサンケイフが水没してしまったからである。ちなみに当時見ることができた建造物やその遺跡の多くは11~12世紀に建造されたものだった。


ハサンケイフの城塞に続く道。




城塞に登っていく途中、街の方向を望む。




城塞の門。




城塞の上からティグリス川を望む。手前の石造の橋脚は12世紀に架けられたといわれる橋の遺跡。




橋とは逆の方向を望む。




さきほど城塞から望んだ現代の橋の上から橋脚の遺跡を望む。




角度を変えて橋脚の遺跡を望む。どれだけ巨大な橋が架けられていたのかが想像できる。しかし、ダム湖ができて、この橋脚は水没してしまった。




<ヌサイビン>
ヌサイビンはシリアとの国境に位置する町。ハサンケイフからミディヤットへ向かうべくドルムシュに乗車したのだが、同乗したイスタンブールの女性教師3人組(小学校か幼稚園の教師のようだった)が貸し切りにしてこの辺りを回りたいということで、ほとんど無理やりという感じで同意させられ、まず向かったのがここ。どうやら件の先生たちはちょっとだけシリアに入国したかったようで、国境警備の兵士と交渉していたが、もちろんそんなことは許されるわけもなかった。


ヌサイビンの繁華街。シリアとの国境では、さすがにカメラを出すのはためらわれ写真はない。国境の風景はかなり鮮明な記憶として残っているが、警備していた兵士に写真を撮っても良いか聞くだけでも聞いておけばよかったと後悔している。




<聖ガブリエル修道院>
聖ガブリエル修道院は397年に創建された、世界で最も古い修道院の一つ。着いたのは午後6時半ころで中の見学は無理だろうと思ったが、何とイスタンブールの3人組が修道院に頼み込んで扉を開けさせてしまった。一人の修道士(だと思われる)が色々と説明してくれたが、トルコ語のみでまったくわからなかった。





まさかこの扉の向こうに行けるとは思わなかった。