アレッポ

(3月22日)
パルミラの朝は冷え込みがきつかった。砂漠は基本的には雲が少ないので、放射冷却がきつい。そして、エジプトよりも緯度はあがっているし、まだ、3月なのだ。

キリっとした寒さのなか、6時半すぎにホテルを引き払い、バス乗り場へ向かった。途中、羊の群れとすれ違う。羊飼いの姿が見えず(どこかにいるのだろうが)、羊たちが連れ立って朝の食事に行くという感じだ。

7時発のバスは、ほぼ満員の客を乗せ、若干遅れて出発。9時20分頃ホムス到着。アレッポ行きのカルナックバスの便を調べたが、今日の便はすでに出発済みで、すぐ隣にあるミクロバスとよばれる民営バスのターミナルへ行った。例によって、アルファベット表記は一切なく、カルナックバスの方にはいた英語を話す職員もいない。チケット売り場らしきところへ行き、「アレッポ」と言うと、やはりそこはチケット売り場で、「アレッポ行きはあるか」「すぐある」「一枚お願い」というコミュニケーションが何となく成立して、例によってアラビア文字オンリーのチケットを手に入れることができた。ただ、まだ、安心はできない。バスの発車時刻がわからないし、ホムスのバスターミナルはなかなか広く、発車を待つバスがひしめいているのだ。どのバスにのるべきかわからないので、そこいら辺の人にチケットを見せながら歩いた。

幸い、バスはすぐみつかった。すでに満員に近く、一番後ろの列に残った一つの席(窓側の席)が、僕のチケットに書かれた席だった(一応アラビア文字の数字は読めるようになっていた)。

僕の隣にはシリア軍の若い兵士が座っていた。片言の英語で話しかけてきた。休暇を利用してアレッポへ帰るところのようで、アレッポの自分の家に来ないかと盛んに誘ってくる。信用してよさそうな感じだが、僕にはあまり時間がなかった。できれば明日にはトルコに入国したいので、とお断りした。

アレッポのターミナルに着いたのは12時半頃。ホテルを探し、その後、市内をブラブラする時間は十分ある。

中心部にある、ややくたびれた感のある中級ホテルに部屋を確保し、街歩きにでかけた。

バスターミナルの雑踏をもう一度見てから、アレッポ城に向かって緩やかな坂道をのぼっていった。



アレッポのミクロバスステーション。




アレッポ城。




アレッポ城。




アレッポ城。




アレッポ城。




アレッポ市内を望む。




アレッポ城内にある宮殿の天井(なぜか天井しか撮っていない)。




アレッポ城。





アレッポ城。



アレッポ城を一通り見たあとスークに入った。ここのスークはダマスカスとは違って通路が狭い。建物と建物の間が屋根でつながっているような構造で、その下が通路になっており、その両側には小さな店が並んでいる。やや迷路っぽい感じもあるが、アレッポ城から続く緩やかな下り傾斜があり、そのおかげで、自分がどっちに向かって歩いているのかがだいたいわかる。

スーク探訪はアレッポ観光のハイライトの一つだが、ひどい下痢のあとのややハードな観光のせいか、ちょっと疲れを感じていた。ということで、スーク探訪は早々に切り上げ、翌日のトルコ行きのバスのチケットを確保してホテルに戻った。