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2018年6月 Archive

高度プロフェッショナル制度(高プロ)について、もう一度

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  • 政治

法律を作る際にはその根拠となる立法事実が必要。

高プロの立法事実は「労働者のニーズ」というのが政府の説明。

「具体的にどんなニーズがあるのか」ということを野党が問いただした結果出てきたのが12人からヒアリングしたというデータ。

しかし、このうち9人は、野党に問い詰められた後のヒアリングだったことが明らかになり、さらに残り3人についても、高プロの対象者でなかったり、法律をつくる時点では聞いていないことがわかり、結局、「労働者のニーズ」というのは政府のでっち上げだったことが明らかになった。

立法事実がない以上、法案は取り下げられるのが筋。

しかし、首相は、国会で、高プロは経済界や学識経験者から制度創設の意見があって法案に盛り込んだと答弁(完全な開き直り)。

そして、今まさに参議院の厚生労働委員会において強行採決されようとしている。

こんなもことを許している一因が、高プロの本当のところが世間一般に知られていないということにある(マスコミの責任は本当に重い!)

・多くの人は「年収1075万円以上の金融ディーラーやコンサルタントなど限られた専門知識を持った人が対象」なので自分には関係ないと思っている。

・しかし、この法案のどこにも、年収1075万円以上などとは書かれていない。

・「高プロ」では、時間外労働や長時間労働、残業代を支払わないなどという行為は、すべて合法化される。なので極端なことを言えば、1ヶ月に4日だけ休ませれば、あとは24時間休みなく働かせることも可能。

・会社側がもとめる成果(ノルマ)を達成できない場合、ペナルティもありうる。つまり、年間1100万という契約であったとしても、ノルマを達成していないということで大幅に賃金を削られることもある。(なるほど経営者側にニーズにぴったりな仕組み)


・「高プロ」の対象者は、「一部の高度な専門職」と思い込んでいる人もいるようだが、対象となる職種は法律には書き込まれておらず、国会に諮らなくても、厚生労働省の省令でいくらでも拡大できるようになっている。

・どんどん職種が拡大していくだろうことは、最初は一部の専門家が対象だったはずの「労働者派遣法」が、今では派遣業種は原則自由になっているのをみれば想像がつく。

・経団連はかつて「高プロ(以前のホワイトカラー・エグゼンプションの時)」対象者は年収400万円以上」と言っていたので、適用対象者の年収のハードルも下げられていく可能性がある(というか高い)。

こんな法案を審議においてはごまかしの連続、そして最後は強行採決しようとしている。そして、こういうやり方はこの法案に限ったことでないのだ。日本の議会制民主主義が壊されていく。ため息が出るばかりだけれど、だまって見ているわけにはいかないと、改めて思っている。

日本人に人気なのか? スペインの美しい村アルバラシン

スペインンの美しい村アルバラシン01

近年、恒例となっている梅雨時の日本脱出。

今年はモロッコの砂漠でもと思って計画を練っていたが、ちょっとミスを。

出発が迫ってきた段階で、ラマダンの最中であることに気が付いた。ムスリムは1ヶ月間、日中断食する。

もちろん非ムスリムが断食する必要はないが、田舎に行くと昼間食堂は閉まっているのでなかなか食べられない。何か食べ物を買っておいてホテルの部屋でこっそり食べるという手がないわけではない。

別に外で大手を振って食べることはできるのだけれど、我慢している人の前で食べるというデリカシーのないことはできない。同じ理由で外で水をガブガブ飲むということもしにくい。

食事はまあいい。しかし、暑いなか水を我慢して日中歩き回るのはきついだけではなく健康上まずい。

ということで、モロッコへ行ってみて、問題なく食べたり飲んだりできそうだったらモロッコ旅行を続け、無理そうならばスペイン中心の旅行に切り替えるということにして旅に出た(スペイン旅行中心に切り替えることは決定的だったが)。

で、実際、モロッコは3泊で切り上げ、ジブラルタル海峡を渡ってスペインへ。

スペインでの予定は何となく決めていただけで、ほぼ行き当たりばったり。

何となく決めていた行先が、スペインで最も美しい村と呼ばれているらしいアルバラシン(上の写真)。

公共交通だとかなり行きにくそうだが、調べたところテルエルという街からの便が1日1往復あるらしい。

タンジェからタリファへ渡り、バスでセヴィージャまで移動して1泊。その後、バスでカセレス、トルヒーリョ、マドリードへと移動して1泊。マドリードからは鉄道でテルエルへ移動し(バスの便もあるようだったがちゃんと調べられなかった)、バスでアルバラシンへ移動。ホテルはバスを降りた場所から近いところに当たってみると幸い空きがあり、すぐに決定。

ところで、翌朝のテルエル行きのバスでは3人の日本人と一緒になった。アルバラシンは日本人の間で注目されている村なのか?

3人のうち2人-ご夫婦-は前日のバスでも一緒だったが、日本人であるという確信はもてず話しかけられなかった(中国をはじめアジアの旅行者がとっても多いので)。

最新の『地球の歩き方』に詳細が記されているのかどうかは知らないが、ちょっと前の同書にはページの下に小さくちらっと載せられているだけ。

一緒になった方たちにどこでアルバラシン情報を得たのか尋ねたところネット情報だという。

自分はといえば、ある旅行会社の出している分厚いツアーの冊子で知った(普通のツアーでは満足できなくなった人をひきつけるような企画をしばしばしている会社で、アルバラシンはけっこう前から紹介されていたような記憶)。

ところで、アルバラシン訪問の詳細は、例によっていつになるかわからない本編の旅行記で。

僕が高度プロフェッショナル制度のような条件で働いていたこと

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高プロはまだ導入されていませんが、すでに高プロ同様の労働条件になっている職業があります。それは教員です。中学の教員のブラックぶりの報道を目にすることも増えています。

公立学校の教員は一般公務員より若干賃金が高く設定されいます。しかし、その代わり残業代はなしです。

社会人になってからほとんどフリーランスだったのですが、実は1980年代後半にほんの一時、北海道の地方都市で公立高校の教員をしていました。

確か朝は8時10分くらいから会議(その日の連絡事項の確認など)があり、その後、何コマか授業をこなし、15時半くらいから部活の指導(とはいっても生徒の横で見ているだけということが多く体力的にはたいしたことはないー当時は生徒が自主的にやることができる能力のあるような高校では教員がつきっきりということはなく、職員室で自分の仕事をすることが可能という雰囲気でしたが、自分の勤務していた高校は生徒の自主性がそこまでのものではなかったので、ほぼそばにいなければいけない状況。おそらく現在は何かあったらということで、常に生徒と一緒でなければならないという感じでしょうか?)

通常、18時ころには部活終了。この時点で朝から拘束10時間ですが、これで帰宅できるかというとそうでもありません。(なお、昼休みは仕出し屋の弁当をかきこんでから仕事というのが基本でした)

田舎だったのでバスの便の終了が早く、遠距離通学の生徒が終バスを逃してしまうこともしばしばで、自分の車で送るなどということも(生徒も車で送ってもらいたいものだから、ダラダラと活動を延ばすこともー「しょうがないなあ」とダラダラを黙認していたことは否定できませんが)

学校では授業と部活の指導以外に、色々な担当があって、自分は、おそらく一番仕事が多かったであろう生徒指導部で、生徒会担当でした。1学期は夏の学校祭に向けての準備があります。そして、生徒の問題行動も比較的多い学校でしたので、それへの対応のための会議、問題行動を起こした生徒との面談などにも時間を割かなければなりませんでした。

そんなわけで、授業のない時間も完全にあいているというわけではなかったです。

自分は新採で授業の準備にも時間がかかりましたが、さまざまな雑務があり、授業の合間の時間だけでは足りず、夜、学校に残って、さらに帰宅後にも教材研究、生徒に課題を提出させたときはそのチェックなどをするということが多かったです。(ちょっと記憶が定かではありませんが、帰宅してから仕事ということが多かったかもしれません)。

当時は週休2日制ではありませんでしたから、土曜日も出勤です、そして午後はいつもより長い部活。

そして日曜日。午前のみ、午後のみということが多かったように思いますが、部活です。これに対しての報酬ですが、支払いの主体がどこだったかは忘れましたが、500円が支払われるだけでした。

というような感じで毎週・毎週がすぎていきました。新採の年は4月からほぼ休みなしで、6月下旬、祖母の葬儀でやっと休むことができたのを覚えています。

比較的規模の大きな学校で教員数が多かったので、すべての教師がこういう忙しさというわけではなかったように思います。新採だったので忙しい仕事を割り振られたという面があったのだと思います。

それでも、若い先生が多く、何か「サークル活動をやっている感」というのもありました。仲間に恵まれていました。

実は自分が受け持った部活は演劇部で(演劇の経験はありません)、秋の高文連(生徒の求めに応じて脚本を書きましたーけっこう楽しんでいました)が終わると割と活動時間も短くなり負担が減ったような記憶です。生徒会の方も行事があまりなく忙しさは緩和されたと思います。

しかし、自分の時間がほとんどないという状態で(特に1学期)、あれが長く続いていたらどうなっていたか。色々考えることがあって、すぐに退職したので、けっこう思い出の部分が多い感じではあるのですが。

現在の先生方は保護者からの要求のレベルもあがっており、どれだけ大変なのだろうかと心配になってしまいます。

高プロが導入されると、今以上に自分の時間を持てない人が増えてしまうでしょう。自分の場合、職住が接近しており、通勤時間は10分に満たなかったのですが、上に書いたように半ば仕事漬けという状態におかれて、さらに通勤に往復で2時間とかなると、体力的・精神的にもたなくなることは容易に想像できるところです。

高度プロフェッショナル制度

  • Posted by: オフ
  • 政治

最近、政治に関するニュースを見たり聞いたりするとため息ばかりが出てきます。

公文書を改ざんして不起訴? 刑法の想定しない異常事態ということなのかもしれないが。。。日本は本当に民主主義国家なのか? 国会で徹底的に真相究明しなきゃいかんだろ、これ。

加計の問題も嘘で塗り固めて逃げ切る気満々だし。。。私学助成という形で自分が払った税金の一部が回されると思うと。。。

日大アメフト部のことばかり報道するマスコミ。同じ熱量で政治にいついても追及しろよ。。。

さて、色々ありすぎて頭が整理できない状態ですが、現在、最も緊急を要するのは高度プロフェッショナル制度の問題。

政府は「働き方改革」とか言っていますが、これは「働かせ方」の改悪。

自分は社会に出てからこの方、ほぼフリーランスという立場にいたし、今後もどこかの会社に所属して働くということはないと思うので、直接的には関係がありません。でも、自分の身内、近しい人たちがひどい労働環境に置かれるようになるかもしれないのに、傍観しているわけにはいかないということで、反対のデモにも何度か参加しています。

「高度プロフェッショナル制度」の問題点は、労働基準法にある規制がはずされてしまうということ。成果に応じてとか報道されていますが、これは単に政府のいうことをマスコミがそのまま流しているだけで、実際には「これだけやりなさい→やったら約束した賃金を払う」ということです。当然、経営者としてはなるべく安く働かせたいので、「これだけやりなさい」というラインは高く設定されるにきまってます。そのラインにいたるまで、どんなに時間がかかろうとやりとげなければいかんよ、というのが経営者側の立場です。いままでだったら、期限までにやならければならない業務をこなすため、労働者に残業を命令→残業代の支払いということになったわけですが、高度プロフェッショナル制度ではこうならないのです。成果ラインが非常に高く設定されると、労働時間はとてつもなく長くなる恐れがあります。しかし、労働基準法の適用除外となるので「残業」という概念がなくなり、定額の賃金が支給されるだけです。それで法律上問題なしになっちゃうのです。

こうした働き方(働かせ方)の対象者は拡大される可能性が濃厚です。経営上対象者を拡大させたい経済団体(経団連とか)は、自民党に多額の政治献金をしています。なんの見返りも期待せずに献金をするはずがないと考えるのが自然でしょう。まあ、そういうことなのだと思います。

で、対象者ですが、所得が1075万円以上の労働者が対象とか言われています(実際に法案に金額が明示されているわけではない)。しかし、省令で変更が可能です(国会の議決を経なくても変えられるということですー簡単に変えられちゃうということです)。

高度プロフェッショナル制度を適用するかどうかは、使用者と労働者の話し合いで決めるから、そこで労働者が同意しなければよいので心配はないというのが政府の言い分です。しかし、使用者(会社)との話し合いで、そのオファーを拒否できる労働者がどれくらいいるでしょうか? ほとんどいないでしょう。労働者は弱い立場であり、守られるべき存在だからこそ労働法制もあるわけで。

正確ではない部分もあるかもしれませんが、ざっとこんな感じです。しかし、テレビのニュースなどではほとんどふれられません。特に民法はスポンサー企業が高度プロフェッショナル制度導入支持でしょうから、それにたてつくようなニュースの構成にはしにくいのかもしれません。この手の報道は経営団体と無関係なNHKが頼みの綱なのですが、いかんせんNHKはすっかり政府の準広報という感じです。新聞はある程度詳しく書いているかもしれませんが、忙しくて細かいところまではという人が多いでしょう。つまり、高度プロフェッショナル制度の問題点は浸透していないというのが実情ではないのかと思います。

この法案はすでに衆議院を通過してしまいました。止めることはかなり難しくなってきましたが、世論の盛り上がり方次第では止められる可能性もあるのではと思ってます。

ということで、こんなネットの片隅ではありますが、ちょっと書いてみました。

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