母の付き添いで通ったクリニックに飾ってあったエッサウイラを描いた絵画
母には定期的に通っていたクリニックが2つあって、いつも付き添いで一緒に行っていた。
そのうちの一つのクリニックの待合室の壁には絵画が飾られていて、その中に、行ったことがある人が見るとすぐに「モロッコのエッサウイラ」とわかる作品(のレプリカだと思う)があった(ある日、別の作品に差し替えられたので、絵画のレンタルサービスを受けているのだろう)。
もちろん母はエッサウイラを描いたものだということはわからなかったと思うし、そもそも待合室に飾られている絵画自体に興味がなかったと思う。
しかし、僕にとっては、母が亡くなった今となっては、母と一緒にすごした時間、いつも眺めていた絵として、とても強く心に刻まれている。
待合室の長椅子に母の隣に座ってその絵を見ていたときは、誰の何という作品だろうかとかは考えなかったが、亡くなってから急に作者を確認したくなった。
それでネットで「エッサウイラ」「絵画」で画像を検索してみると、蛯子真理央さんという人の「道を往く」という作品(2011年)であることがわかった。
作品は蛯子さんの公式ページで見られるので(このリンクを開いて下から2段目、右から3番目の作品をクリックすると見ることができる)、タブレットにスクショを保存して、時々眺めて、クリニックの待合室で母と過ごした時間を思い出している。
好きな絵なので、レプリカが売られているのならば購入して部屋に飾りたいほどなのだけれど。
近況報告
近況報告というには、ずいぶん時間がたってしまったが。。。
10月初め、日帰りで秋田へ行ってきた。
9月に母が亡くなったのだが(しばらく更新が止まっているのはそういうことです)、その故郷が秋田で、秋田時代の戸籍(除籍)謄本をとるためだった。
遺産相続の手続きには、故人の生まれてから亡くなるまでの戸籍が必要となる。秋田の分は郵便で取り寄せることも可能だったが、住民票のある住所にしか送ることができないと言われてしまった。自分は現在札幌で諸手続きを行っているが、住民票は相変わらず東京にあるので、いちいち送ってもらった戸籍を東京までとりにいかなければならない。それ以外にも、諸手続きのため、東京に行く必要が色々と生じてはいるが、秋田市役所に郵送を頼んだ場合、いつ届くのかわからないという問題があった。それならば、母の故郷を見ることも兼ねて、秋田まで行ってみようと思ったのだ。
秋田へ行った日は好天に恵まれた。
秋田市役所に着いたのは12時過ぎ。すぐに証明書を取得する窓口へ行き古い戸籍の写しを受け取った。30分強はかかったと思う。しかし、目的を達したので、もうやることがない。
市役所の食堂で昼食をとり、その後、千秋公園へ行った。幼いころの母が親と一緒に散歩に行ったりしたのだろうか?
上の写真は秋田市役所。
上の写真は千秋公園(久保田城跡)の入口の一つ。以下の2カットも千秋公園。
帰りの飛行機は20時過ぎだったので、時間はたっぷりあった。
ということで県立美術館で絵を見てから、かなり早かったが空港へ向かった。
下の写真は県立美術館から千秋公園方向を望んだもの。
久しぶりの旅行だが、もちろん気分はもりあがらなかった。
ところで、何か淡々と書いてきたが、母の死は予想以上にこたえている。
かなり暗い話になりますが、お付き合いいただける方は続きをどうぞ。
IAEAは福島第一原発の処理水の海洋放出にお墨付きを与えたわけではないってこと
先週土曜(8月26日)に放送されたTBSの『報道特集』では、福島第一原発の処理水の海洋への放出にお墨付きを与えたとされる(海洋放出を支持する人たちがその根拠としている)IAEAの報告書について正確に伝えていた。
「この報告書は日本の方針を推奨するものでも支持するものでもない」と。
また、IAEAの事務局長は番組のインタビューに対してこう答えている。「謙虚さをもって説明を続け、彼ら(漁業関係者)の信頼を得なければ未来はありません」と。
福島第一原発の処理水に関して国際的な信頼を得るのは困難だろう
「原発処理水をめぐる日本政府の「意図的な誤訳」...G7首脳陣は「放出」が「不可欠」とは言っていない」
これはニューズウィーク日本版に掲載された記事で、G7広島サミット首脳による声明の英語原文を日本政府が意図的に誤訳したとされるというものである。
G7の国々の首脳は「処理水の放出」が「不可欠」と言っていないし、賛同していないにも関わらず、G7の国々を利用して国民を納得させようという意図が透けて見える。
都合のよい日本語訳を発表しておけば、日本のマスコミはただそれを発表するだけだから、処理水放水の件で大多数の国民の納得を得られるだろうという意図なのだろうか。
こんなことをやっている国を国際社会は信用してくれるだろうか?
統計の数字をいじったり、情報を隠蔽したり、公文書を廃棄したり、そんなことをする政府であることは、既に知れ渡っていると思うし。
そんなことをする政府が発表する原発処理水に関する情報を黙って信じてくれると思う方がどうかしているだろう。
福島第一原発の"処理水"の放出問題について
福島第一原発の処理水放出が連日大きく報道されている。
しかし、その報道を、どんな問題が含まれているのか理解して、見たり読んだりしている人々は少ないのではないか?
かく言う自分もよく理解できてはいない。
このままわからないままでいてはいけないと思っているうちに、"処理水放出"が実施に移されてしまった。
遅きに失したが、この問題について、一人でも多くの国民が声をあげていかねばいけないと思い(この国にはほかにも問題が多すぎて嫌になってしまうが、あきらめたらそこでゲームオーバーなので何とか関心を失わないよう、少しでも声をあげるよう努めていきたい-以前はけっこうデモに参加していたりしたのだがコロナ禍もあるし、その他諸般の事情で遠ざかっている)、こんな辺鄙なページ付属のブログではあるが、ちょっと書いておこうと思う。
そもそも、だいぶ前には"処理水"ではなく「汚染水」と呼ばれていた。それが、いつの間にか"処理水"なる名称で呼ばれるようになったあたりで、何かこの問題に対する政府・東電の対応策が胡散臭いものであると感じるようになっていた。
確かに汚染水に含まれる放射性物質は処理されてはいるようなので処理水ではあるようだが、完全に処理されたと考えてもいいものなのか?
それについては2018年、大半の処理水にトリチウム以外の放射性物質が基準値以上に残留しているにもかかわらず、東電はホームページに掲載するだけで関係者に説明していなかったことが発覚して大きな問題になった。
現在、処理水放出に関する報道はもっぱらトリチウムに焦点をあてたもので、それ以外の放射性物質はどうなっているのか?
今日(8月25日)たまたま見たの処理水放出に関するNHKのニュースでは、「トリチウムなどを含む処理水」と処理水に含まれる核種にはトリチウム以外もあるということを示す言い方をしている。まあ、不正確という批判を避けるためなのだろうが、それだけであり、すぐに、今日(25日)、処理水放出後に初めて水揚げされた魚のトリチウムの検査がされるという話に話題が移った(しかし、検査するのはトリチウムだけなのか?)。また、環境省は今日(25日)周辺海域でトリチウムの濃度を調べるために海水採取を始めたということも報道されている。トリチウム以外はどうするんだ?
政府・東電はちゃんとやってますよ、安全に問題はありませんよというポーズを示しているだけではないのか?(そもそも関係者の理解なしにはいかなる処分も行わないという約束を破っているので、その時点でアウトだと思う)
あまりよく理解していない人が見ると、ちゃんと検査しているし大丈夫じゃないか? となるだろう。トリチウムは実は、生物への影響は少ないとされる物質らしく、より大きな問題はそれ以外の放射性物質らしいので、このままではまずいと思う。
福島第一原発の処理水放出については、下記のページが参考になるかと思う。備忘のためリンクを貼って、いつでも読むことができるようにしておくことにする。
【Q&A】ALPS処理汚染水、押さえておきたい14のポイント