いつの間にか安い国になっていた日本
今回、イタリアのラ・スペツィア駅にあるバールでサンドイッチを買った。
表面がカリカリの鏡餅型のパンを2つにスライスして、そこにトマトとチーズをはさんだだけのもの。
値段は4.2ユーロ(日本円に換算して550~560円。両替の際のロスが入ると600円くらい)。
5ユーロ出したら、なぜか4.2ユーロもつり銭をくれてびっくりしたが、もちろん店の人のミスだが、列を離れてつり銭が重いので気が付いた。
すぐにミスったよということを伝えたかったが、けっこう客がたてこんでいる。つり銭が少なかったとかいうクレームと思われると説明に時間がかかり、他の客に悪いので、客がいなくなったのを見計らって、間違っていますよと話しかけた。最初、彼はクレームかと身構えたが、つり銭の額と商品の額を取り違えたということがわかり、照れ笑い。恐縮しながら、お礼を言ってくれた。
まあ、このことは、この記事の本題ではない。
本題はサンドイッチの値段。
おそらく日本で同じものを600円で売ったら絶対売れない。おそらく350円か400円が限度だろう。
というくらい、今、日本の物価は先進国の中ではとっても安い。
昼にその辺の定食屋でも700円くらいでけっこうな内容の食事をとることができる。ヨーロッパで同じレベルの食事をしようと思うと、安くて1200~1300円。場合によっては2000円くらいかかってしまう場合も。
毎年冬になると、オーストラリアから大挙してニセコ地方のスキーリゾートにスキー客がやってくるが、(オーストラリアの物価は知らないが)彼らにとって日本は物価の安い国で、飛行機代をかけてやってきても、それほど大きな負担ではないのだろう。(自国で休暇を過ごすより安いのか?)
さて、日本の物価が先進国のなかでこんなに安いの原因は、非正規労働者の低賃金にあるといわねばならないだろう。
たとえば、時給1000円(最低賃金がもっと低いのはご存知の通り)で一日8時間、週休2日で52週働いたとして、年収208万円。これでいったいどうやって生活しろというのか。この仮定は、週休2日で計算したので、年末年始の休みとか、ゴールデンウイークとかは勘案していない。まったくひどいもんだ。
何かおかしくないか?! 日本。
長く旅をしているが、先進国を旅するたびにこうした感覚が強くなる。
今、たいへん多くの外国人観光客が来日しているが、彼らにとって日本の旅先としての魅力の一つが、「安さ」であることは間違いないだろう。
冬のチンクエ・テッレに行ってきた
一週間ほど、イタリアに行ってきた。
主な目的地はチンクエ・テッレ(5つの土地という意味でその名の通り5つの漁村がある地域)というところ。近年注目されている観光地だ。
12月の海外旅行は、ホノルルマラソンを走りにいったのを除くと、上海とその周辺、カンボジアのアンコール遺跡群に行ったくらいだったが、今回は冬場で観光客の少ないであろうことを期待して、イタリアまで足を伸ばすことにした。
この季節は雨が多めなので天気が心配だったが、予想通りけっこう降られた。が、そういう季節なので、やはり観光客は少なめで、静かな街が楽しめた。
で、写真は、チンクエ・テッレの一つ、マナローラの夕景。空は濃いグレーの雲で覆われており、にわか雨にも降られたが、夕方なので、空の色の重さはあまり気にならなかった。
旅の詳細は、いずれまた本編で。