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2025年12月 Archive

実は紙のお薬手帳が最強?~マイナ保険証のメリットばかりを強調する政府の不誠実さ

  • Posted by: オフ
  • 政治

従来の健康保険証が廃止されたことから、今月になってニュースとか情報番組とかでマイナ保険証なるもののメリットが放送されているが、見た範囲ではあるが独自の視点からのものはほぼなく、政府のいうことをそのまま流しているものばかりだと思う。

政府はマイナ保険証には受診歴や投薬履歴がわかるメリットがあるというのだが、これって売ろうとする物件の長所しか述べない悪徳不動産屋とかわらないのではと思う。

どうも世間一般には知られていないようだが、マイナ保険証でわかる受診歴などは直近のレセプト提出までの内容で、その後の受診履歴、投薬履歴はわからないのだ。

自分も詳細を完全にわかっているわけでないことを念のために書いておくが概略は次の通り。

医療機関ではその場で医療費の一部を患者から受け取り、残りはその患者の属している健康保険組合から受け取っている。これは自動的に受け取れるわけではなく、毎月、その診療・投薬などについて、それが健康保険制度に適合しているかどうかを判定する機関に申請して(レセプトを提出)、診療報酬を受け取るという仕組みになっている(診療や投薬に問題がないかどうか審査を受けるので認められない場合もありうる)。

このレセプト提出後、次のレセプト提出までの間の診療内容や投薬情報はマイナ保険証を利用していても知ることができない仕組みになっているので、マイナ保険証を過信していると、重複投薬されてしまう恐れはあるし、最悪、患者の命に係わる問題が起こる可能性もある。

一つの例だが、ずっと高血圧で投薬を受けていた人が、あるとき症状がかなり改善されて今までの薬だと血圧が低下しすぎてふらついてしまうという状態になり薬が変更された(この例のようなことは実際に近しい人にあった)。もし、このようなケースがあったとして、その人があるとき急病で普段かかっていない医療機関に入院する必要が発生して、そこの医師が変更される前の投薬情報にしたがい以前の薬を使ったらどうなるだろうか?

まあ、最悪のケースだが"マイナ保険証でわかる過去の投薬情報"というものを過信するとこういうことも起こりうるのだ。

一方、お薬手帳では直近の投薬状況までわかるので、本当に万が一のときのことを考えると紙のお薬手帳が最強だと思うのだ。(この記事を書いていて、お薬手帳をなくしてしまったらと心配な場合にはお薬手帳の直近の部分をコピーしておくとかスマホで撮っておくとかしておくのがよいかもと思った)

加えてマイナ保険証は停電、通信障害、機器の故障には無力だ。さらに10年に一度カードそのものの、5年に一度カードのデジタル証明書なるものの更新が必要だ。

こういうマイナスポイントも示しつつ、マイナ保険証の利用を検討してみてはという呼びかけならばよいと思うが、メリットばかりを示して呼びかけるというのは本当に不誠実だと思う。

僕はどうしているのかというと、マイナンバーカードすら持っていない。ただし、マイナンバー制度そのものには反対ではない。どうして反対ではないかについてはそのうち書くかもしれない。

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