新型コロナ感染後の後遺症には極めて多様なものがあることが、研究により明らかになりつつある。後遺症の一つに認知機能の低下というものがあり、それについての研究も沢山あるようだが、最近目にした研究を備忘のため記しておこうと思う。
下記は"Nature Communications"2025年11月26日の記事。
https://www.nature.com/articles/s41467-025-65597-z
「COVID-19の急性期後遺症に関連する認知障害における明確な脳の変化と神経変性プロセス」
最初の部分をグーグル翻訳で訳してみたのが一番下のわけのわからない文章だけれども、その最後の部分は医学用語を調べて書き換えてみると次のような感じになった。
「コロナ感染が軽度なものであったとしても、急性期後遺症における認知障害において、他の新型コロナ感染症の様々な急性期後遺症では観察されない明確な神経変性プロセスが存在することを示唆している」
素人には難解だが、小さくはない問題がありそう(現状では「示唆」というレベルだが)という研究結果であることはわかる。これを無視するか、しないか。自分は無視しない側にいる。
<以下がグーグル翻訳をかけたもの>
SARS-CoV-2の急性期後遺症(PASC)では脳の変化が報告されているが、その有病率や神経変性との関係は依然として不明である。軽症COVID-19発症から約1年後の個人の血液タンパク質と脳MRIを、探索コホート、共変量マッチングコホート、独立検証コホートで解析した。探索コホートでは、Cog-PASCでアストログリア細胞障害関連タンパク質の増加と、帯状皮質と島皮質の皮質菲薄化、海馬の常磁性磁化率の上昇、脈絡叢容積の拡大など、複数の皮質と皮質下領域にわたる構造的・微細構造的変化が示された。年齢、性別、教育をマッチングさせたコホートでは、帯状皮質の菲薄化と磁化率の上昇は依然として有意であった。血液プロテオミクスにより、Cog-PASCにおいて、神経変性経路に関連する酸化ストレス応答とシナプス機能に関わるより広範な変化が明らかになりました。検証コホートでは、ニューロンおよびアストログリア細胞の損傷関連タンパク質の増加、帯状皮質および島皮質の菲薄化、海馬の感受性の上昇、ならびに脈絡叢の拡大が示され、これらの神経変性関連変化の再現性が確認されました。これらの知見は、軽度のCOVID-19感染後であっても、Cog-PASCにおいて他のPASCサブタイプでは観察されない明確な神経変性プロセスが存在することを示唆しています。
※Cog-PASC:最近の医学研究でCOVID-19の急性期後遺症における認知障害を指すために使用されている用語。
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